ランニングにおける筋肉痛
ランニングをしたあとに筋肉痛が起こることがあります。
この筋肉痛のメカニズムはどのようなものなのでしょうか?
負荷の高い運動を行った後や長時間運動を行った後に筋肉が
痛くなる場合があります。
一般的に私たちがいう筋肉痛とは運動後数時間経った後、
または数日経った後に発生する痛みのことで遅発性筋肉痛と
言われています。
筋肉痛の原因としては、筋の炎症により発生する、疲労物質が
原因で発生するなど諸説ありますが、まだはっきりしていないようです。
筋の炎症説は筋繊維と結合組織が過負荷によって損傷した場合に
発生すると考えられています。
また疲労物質が原因で発生する説では、ランニングにおいては
そのスピードが速過ぎるということが考えられます。
気合が入り過ぎて、知らず知らずのうちにスピードが速くなってしまい
疲労物質が溜まってしまうのです。
疲労物質が筋肉内に溜まると、筋肉疲労が発生し筋活動が思う
ように出来なくなります。
疲労物質が溜まりにくいAT(無酸素性作業閾値)以下の楽に長く
走れるスピードで走るように注意します。
ATは最大酸素摂取量の70%前後といわれています。
筋肉痛が起こりやすい運動動作としては
エキセントリック・
コントラクションと言われる筋肉が伸びながら力を出す動作の時です。
筋肉が縮みながら力を出す動作のことを
コンセントリック・
コントラクションと言い、反対に筋肉が伸びながら力を出す動作の
ことを
エキセントリック・コントラクションと言います。
ランニングでは坂道を駆け下りるときなどに大腿四頭筋
(太ももの前面)やカーフ(ふくらはぎ)の筋が伸びる動作となり、
筋損傷が起こりやすく筋肉痛も最も起こりやすい局面となります。
坂道ではなるべくブレーキをかけない効率的な走りをこころがけ、
筋損傷も出来る限り起こさないようにすることが大切です。
また平地でも走り方に注意しないと身体の一部に痛みを感じて
しまうことがあります。
走る時には体幹部を意識して走るとともに、
特に大臀筋(おしりの筋肉)やハムストリングス(太ももの裏の
筋肉)を使って走るようにします。
大臀筋は股関節の伸展に大きく関与しており、ハムストリングスは
股関節および膝関節に関与しています。
また大臀筋・ハムストリングスともに大きな筋肉であり、このように
出来るだけ大きい筋肉を使う方が疲れにくく長い時間運動を続ける
ことが可能となります。
小さい筋肉であるカーフ(ふくらはぎ)が筋肉痛になる人は、走って
いる時に蹴り上げる意識が強すぎるからかも知れません。
長距離の場合は脚を前に運ぶという意識の方が長時間ラクに
運動を続けることが出来ます。
また筋力トレーニングのカーフレイズの動きでもわかりますが、
ふくらはぎを使う動きは足首が伸びる時です。このような動きは
上下動が激しくなる動きでもありますのでスタミナもロスしやすく
なります。
運動をする上で、ある程度の筋肉痛は仕方ありませんが、
出来る限り最小限にくい止める方法はあります。
まずはウォーミングアップとクールダウンをしっかり行うこと
によってある程度は軽減することが可能です。
特にクールダウンをしっかり行うことによって筋肉の疲労を
とったり、疲労を後に残さない効果がありますので、必ず
行いましょう。
運動後、炎症がひどい場合はアイシングが効果的です。
氷をビニール袋などに入れて15分ほど患部を冷やすことに
よって炎症を抑えたり、筋肉の疲労を改善することが出来ます。
筋肉痛がある間は、休養が大切ですのでランニングも再開
しない方が良いです。
超回復を意識した休養が、筋肉を一段と
強くし、また怪我の予防にもつながります。
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