筋力トレーニングにおける関節痛の予防について
筋力トレーニングの熟練者になってくると、肩や肘・膝などの
関節痛に悩まされる方も少なくありません。
熟練者は、長年のトレーニングで関節を酷使してしまっている
のかも知れません。
また熟練者までいかなくても間違ったフォームで筋力トレーニング
を続けていると関節痛になる恐れがあります。
ここでは筋力トレーニングにおける関節痛についてまとめて
みました。
関節は骨と骨の間にある連結部分にあります。
その結合部分には関節軟骨があり、また関節液で覆われています。
軟骨と関節液は、骨と骨の間のクッションのような役割があります。
しかし加齢や激しい運動等さまざまな要因で関節液の分泌が
減っていき軟骨が擦り減り、やがて炎症が起こり痛みを発症
します。
負荷をかけることによって疼痛を伴い、それを繰り返すと徐々に
悪化してしまいます。
トレーニーが関節痛になってしまう原因には以下の様なケースが
考えられます。
@負荷のかけ過ぎ
挙上げする重量を増やしたい・筋肉をつけたいという気持ちが
強すぎて、どんどん負荷を高めていくことによって、関節に
負荷がかかり過ぎて痛めることがあります。
急激に負荷を増やしていったり、過大な負荷をかけ過ぎないように
注意しましょう。
またフルストレッチを意識し過ぎるのも関節に負担をかけやすく
なるので注意しましょう。
Aオーバートレーニング
結果を求めるあまりトレーニングのやり過ぎ、オーバートレーニング
になると、関節痛などの怪我に陥るリスクが高くなります。
超回復を意識してトレーニング頻度や量を考慮し、しっかり休養
することも大切です。
オーバートレーニングで関節痛になってしまうトレーニーは多い
と思います。怪我でトレーニングが出来なくなったら本末転倒です。
最適なトレーニングを心掛けましょう。
B正しいフォームで行っていない
自分は正しいフォームで行っているつもりでも、案外間違った
フォームで行っていたりもします。
長い間、間違ったフォームでトレーニングを行っていると
関節や筋肉・腱などに悪影響を及ぼす場合があります。
もう一度、自分のフォームが正しいのか見直すことも必要です。
■
ベンチプレスでの注意点
ベンチプレスはトレーニーにとって人気の高い種目です。
ベンチプレスでは肩関節を壊してしまうパターンが多いです。
肩を前に出して挙上げする間違ったフォームは、肩関節を痛める
原因となります。
胸を張り肩甲骨を寄せながら脇を締める様にして、肩を固定して
挙上げするようにしましょう。
またシャフトを下ろす位置は思ったよりも大胸筋の下部方向です。
上部に下ろすと肩を痛める危険があるので注意します。
■
スクワットでの注意点
スクワットもベンチプレスに負けず劣らず人気の高い種目です。
スクワットでは膝関節を痛めてしまうパターンが多いです。
膝関節を痛める間違ったフォームは、膝がつま先よりも前に出て
しまうフォームです。あるいは膝を内側に絞ってしまうパターン
です。
膝は必ずつま先よりも前に出さないこと。それからつま先の角度と
膝の向きの角度は同じにすることがポイントです。
もう1点はしゃがみ込む角度を考慮すること。膝を曲げる角度は
大腿部と床が水平になるあたりまで(膝の角度が90度くらい)
までにしておくのが無難です。
それ以上深くしゃがみ込むと膝を痛めるリスクが高まります。
関節痛の予防法としては、上記の関節痛の原因を把握し
それに陥らないように注意することが大切です。
またその他の予防法としては下記の様なことがあげられます。
@痛みを感じたら中止する
どこか身体に違和感がある、痛みを感じるなどの場合はすぐに
トレーニングを中止することが重要です。
また十分な休養を取り、違和感がなくなるまでトレーニングを
休みましょう。
A栄養を摂る
関節軟骨はコンドロイチンやヒアルロン酸などの成分からできて
いますので、これらを意識的に摂取することも効果的です。
コンドロイチンは納豆や海藻類などに含まれ、関節を動きを
スムーズにする働きがあります。
加齢によって体内で合成する量が減ってきますので、サプリメント
を利用するのも1つの方法です。
Aウォーミングアップとクールダウン
ウォーミングアップは身体を温めて関節や筋肉の柔軟性を高め、
怪我の防止に大変効果があります。
静的ストレッチをやり過ぎると、筋トレのパフォーマンスが下がると
いう考えから敬遠するトレーニーもいますが、軽くウォーキングや
ジョギングなどを行って身体を温めるという方法でもいいです。
またクールダウンはその日のトレーニングの疲労を早めに取る
効果があります。
ウォーミングアップとクールダウンをしっかり行うことが、怪我の
防止につながります。
Bサポーターをつける
肘や膝などの関節部分にサポーターをつけることも効果的です。
サポーターは関節への負荷を軽減してくれます。
また関節を温めることにも繋がりますので、関節痛の防止にも
役立ちます。
C関節を温める
関節が冷えると筋肉がこわばりまた血行が悪くなり、関節には
良い影響がありません。
お風呂などで身体を温め、関節をケアすることが効果的です。
但し、すでに関節が炎症をおこしている時は、反対にアイシングで
冷やすようにします。
関節に炎症を起こして痛みが出てしまったらアイシングで患部を
冷やすようにしましょう。
アイシングは炎症を抑えたり筋疲労を改善する効果があります。
やり方としてはビニール袋などに氷を入れて患部にあてます。
時間は10分〜15分を目途にしましょう。
あまり長時間行うとかえって悪化してしまう恐れがありますので
注意しましょう。
尚、症状がひどい時は病院へ行って受診することも必要です。
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