フィットネス ビギナーズノート

運動単位とサイズの原理


ウエイトトレーニングを始めて間もない人は、最初の数ヶ月での
急激な筋力アップに驚く人も少なくないようです。

これは運動単位というものが促進された結果によるものです。
この運動単位とはどういうものなのでしょうか?



運動単位とは

私たちが筋肉を動かして力を発揮するためには、まず脳から
命令を発します。この命令が神経を通して筋線維に伝達されて
初めて力を発揮します。

この運動神経1つにたくさんの筋線維がつながっていてこれらを
総称して運動単位と言います。

この運動単位をたくさん動員出来れば、それだけ大きな力を
発揮することが出来るのです。



運動単位の動員を高めるために

では運動単位の動員を高めるためにはどうしたらよいので
しょうか?

ウエイトトレーニングを始めたばかりであるトレーニング初期
では、この運動単位の動員が促進され効果が現れます。

しかしある一定の水準に達すると、その上昇カーブは水平と
なります。
 
さらに向上を目指すためには神経系の発達・機能向上が重要
となってきます。
簡単に言うと、いかにテンションを高められるか
ということになります。

よくジムなどで『はっ』と大きな声を出しながらウエイトを挙げて
いる人がいますが、あれも運動単位の動員を高めている行為
です。(あまり大きな声だと周りに迷惑ですが・・・)

私たちの身体は100%の筋繊維を使ってしまうと、その衝撃に耐え
られなくなり故障が起こりやすくなります。この様な原因の故障を
避けるために、私たちの身体は自然と神経系の働きによって、
最大筋力が70%ほどに抑制されるように出来ています。

神経系の発達・機能向上とは、この抑制を少しでも弱めてより多くの
筋力を発揮させるために神経を集中させるなどの訓練を行うことを
いいます。

方法としては高負荷(最大筋力の90%以上ぐらいの負荷)での
トレーニングが神経系の機能向上に適していると言われて
います。





サイズの原理とは

運動単位でも速筋線維のものと遅筋線維のものとが混在して
います。

速筋線維は、すばやく収縮することが出来るため瞬発力を引き
出す時に使われる筋肉で、筋肥大しやすい筋肉です。

遅筋線維は、小さな筋肉でゆっくり収縮し持久力を引き出す時
に使われます。筋肥大しにくい筋肉です。

私たちが力を発揮する時には、まず最初のうちはサイズの
小さな遅筋線維の運動単位から使い始めます。
そして徐々に大きな力が必要となってくると同時に大きな
サイズの速筋線維の運動単位が使われ始めます。
これをサイズの原理と言います。

ですから大きな筋力を発揮するためには速筋線維を発達させる
トレーニング(最大筋力の80%前後ぐらいの負荷)も必要となって
きます。


但し、サイズの原理でも例外はあるようです。
例えばエキセントリック・コントラクション(伸張性収縮)では
最初から速筋線維が優先的に使われる様です。


エキセントリック・コントラクションとは、筋肉が伸びながら力を出す
動作をいいます。主にウエイトを下す局面の動作です。

これはウエイトを下す局面では最初から力を発揮しないと、ウエイトを

落としてしまい、とても危険であるため身体が自然と速筋線維を優先
するのだという説があります。

こういう意味でもエキセントリック・コントラクションは筋肥大、
筋力アップに効果的であるのです。


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